花束みたいな恋をした を懐かしい目線でみることができない

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【映画パンフレット】花束みたいな恋をした 監督 土井裕泰 出演 菅田将暉、有村架純、清原果耶、細田佳央太、オダギリジョー、

みましたよ。花束みたいな恋をした

ああ、こんな風に恋が始まったら楽しいよね

ああ、こんな風に馴染んで、そして冷めていくよね

だって、あんなに趣味があったのに、そのテンションが仕事や世間やらで曇って

それぞれに距離ができちゃったんだもの。

 

とまあ、ヒットする理由もわかるし

主役の二人がかわいいし、リアル。

素晴らしい作品だということに異論はない。

だがしかしbut、私はこの恋愛に共感できないということに観ていて改めて気づいてしまった。

私が男なら有村架純演じる絹と絶対付き合いたい。

可愛いし、サブカル女子っぷりもかわいいし

もうあれこれ好きなものを力説する姿は溜まらん。

わかる、あの絹ちゃんを好きになる理由がわかりみが過ぎる!!!!!

 

でもね、でもですよ、女としてみた菅田将暉演じるサブカル男子・麦。

私は、サブカル女子が大好きな癖にサブカル男子が嫌いなのだよ。

 

思えば、麦のような本や映画やアートの話ができる男子が学生時代周囲にいっぱいいた。

なにせ文学部だったんでね。文学部男子なんてサブカルの権化しかいない。(いや言い過ぎw)

美大ほど尖りすぎていない、まさに麦のような男子がわりと目につく範囲にいたんである。

 

なのに。

私は彼らと趣味の話をしたくなかった。

同性のサブカル女子とはさんざんそういう話でわーキャーやっていたのに

異性と趣味や感性やそういった価値観の共有をすることに全然興味がなかった。

実はいまだにそういうところは健在なので

この映画は一人で観た。夫はこういう映画は絶対に観ない。

本の話もしないし、読む漫画のジャンルも基本別だし、好きな映画のジャンルも実はあんまりかぶっていない。

普段から作品の感想なんて語り合わない。

真面目に議論を戦わせたりもしない。

日ごろからものすごくくだらない話しかしない。

というか、相手が何を考えているのかという点について、それほど大きな興味をもっていない。

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こういうドライヤーで乾かしてもらうっていいなーとは思うけれども、そういうことがさりげなくできる男子じゃなくても全然かまわない。

ある意味、私の中で付き合う男性と映画の中の俳優にきゃーきゃーいうことに大きな境目がないという恐ろしい事実に気づいてしまって、ちょっと哀しくなった。

 

 

なんというか、私にとってパンドラの箱のような作品。

セリフが言い回しがちょいちょい詩的なのに、自然。

生々しい質感をもって観ている観客が自分のことのように感じられるように演じることができる稀有な俳優さんたちがスクリーンに焼き付いている。