まともじゃないのは君も一緒 成田凌祭りその1

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大野と香住

2019年あたりからの成田凌の勢いは凄まじかった。
去年も
窮鼠はチーズの夢をみる での今ケ瀬渉は横で一晩話を聞いてあげたいという
せつなさと可愛らしさと生々しさが立ち上ってくるような素晴らしい造形の人物を演じていたし
さよならくちびるのシマもなんとも魅力的
糸では菅田将暉演じる主人公の幼馴染を屈託なく演じ…とまさに自分が見た映画だけでも八面六臂の活躍。
なんでも演じる成田凌
そしてなんでも実在する人物の手触りにしちゃう成田凌

その彼と清原果耶主演のラブコメと聞けば観るでしょう!
清原果耶もたたずまいが堂々としているのに、なんとも清廉な風を感じる存在感でどんな物語かなあと期待してみたら
期待通りのなんともかんとも「まともじゃない」からこそ愛おしい2人がそこにいました。
数学の世界に生きていて、数字の美しさに魅入られている男でありそれ以外の常識はほぼすっぽ抜けているまともじゃない大野。
その大野が塾での先生で教え子である香住(清原果耶)。
全然話が通じない、かみ合わない二人だけれども
ちょっとした言い合いから、香住は大野を利用して
自身のあこがれの教育評論家・宮本に近づき、かつ宮本の婚約所との間を割いてしまおうと荒唐無稽な計画をたてる。

が、これが結構うまくいってしまうわ、香住はだんだんモヤモヤするわ、大野はなんだかまともになっていくわ
評論家宮本は胡散臭いわ…
それぞれがちょっとずつへんでダメな人なんだけれども、そこがチャーミング。

 

そうそう。評論家役の小泉孝太郎も凄いハマり役。

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評論家の宮本

この人は大河ドラマ徳川慶喜がすごく良くて策略家で下衆なのに、騙されても仕方がないなと思わせるような底知れぬ魅力を称えたカリスマ性を放っていて、さすが政治家一家の出!と思ったのだが
今回もその路線で、爽やかで妙に説得力があるのに中身が空っぽで下衆っていう評論家をひょうひょうと演じている。
すごいなー、こんな毒のある人物を説得力を持って演じる俳優さんになるとは思わなんだ。

そして、成田凌のとぼけっぷりとでも誠実な人物の魅力と清原果耶のちょっとめんどくさい耳年増な女子なのにそのめんどくささがまっすぐ過ぎてカワイイがかけ合わさって可愛いの大渋滞を起こしているカップルの出来上がり。

香住がワーワーいって、大野がうんうん聞いて
それで?それのどこがダメなの?とか聞いては香住にイラつかれたりしながらコミュニケーションとっていくんだろうなあ、この二人。
ああ、かわいい。
幸せな気分になれる映画です。